問題の決着

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060721-00000857-reu-spo

W杯決勝以降騒がれていた問題に一応の決着が着きましたね。
試合後のこの問題に関する報道にはとてもウンザリしていました。
セリエA八百長問題と合わせて、正直自分の中のサッカー熱を冷ましてしまう位に)


内容が公平なものかどうかは別としてこの問題だけを収束させるものとしては
この裁定は非常に妥当だったのではないかと思います。
個人的には一時はSPを付けなければならないとまで言われていた
マテラッツィの身の安全がこれで保障されるであろう事に安堵しています。


ただし今後の事を考えるといくつか新たな問題を残してしまったと思います。


一つ目としてマテラッツィを処分したと言うことは、これからは挑発行為も罰していくというFIFAの姿勢を
示しているのだと思いますが(それ自体は非常に素晴らしい事ですが)
現実問題として審判がそれを試合の中で裁くことができるのかということです。

実際はまず無理なので、試合後に被害者の告発をもって調査を開始すると言うことになると思いますが
そうするとまたこの問題のように後々選手を呼び出して聴聞をすることになり
またどちらかが否認した場合、さらに問題が長期化するということが考えられます。

最終的には選手全員にマイクでも付けることになるんでしょうか。


二つ目としては「挑発者を罰する」という新たな基準を、
もうすでに起こってしまった問題に対して遡及適用をしてしまった事です。

日本の刑法の中に刑の不遡及適用の原則と言うものがありますが
これの考えはその時点でのルール(なにが罰せられて、何が罰せられないか)を明確にし
恣意的な刑の適用(要するにその人を罰するために新たに刑を作ってしまう)を防ぐために必要なものです。

今回結果として遡及適用をしたという前例を作ったことで
それを悪用する人が出てくる可能性があります。

FIFAは今後どんな発言が処分の対象となるかをあらかじめはっきりさせておく必要があるのではないでしょうか?


と長々と真面目に書いてしまいましたが
こういうサッカーの本筋とは関係無い問題で騒がれてしまうという事は
もう二度と起きてほしくないというのが本音です。
疲れました。